東京都の小池百合子知事は24日、築地市場から豊洲市場への移転問題について検討する「市場のあり方戦略本部」を都庁内に新たに設ける方針を明らかにした。7月の都議選で豊洲問題が「大きな争点になる」としてきた考えも後退させ、「他にもテーマがいっぱいある。それを掲げて旗印に、ということは考えていない」と述べた。豊洲問題が混迷するなか、移転の可否をより慎重に判断していく意図があるとみられる。
同日の定例記者会見で明らかにした。戦略本部は、元都中央卸売市場長の中西充副知事を責任者とし、関係部局の幹部らで構成。築地市場と豊洲市場がそれぞれ抱える課題の整理や、産地直送の拡大などで流通形態が変わるなかでの卸売市場のあり方などを検討する。都幹部によると、今月下旬に急きょ設置検討が指示されたという。
小池氏はこれまで、豊洲市場の安全性を検証する専門家会議や有識者による市場問題プロジェクトチームの検証などを踏まえて、移転について判断する手順を示していた。
新たに検討作業を加えた理由に…