東京都の築地市場の豊洲への早期移転を求めて小池百合子知事と対立している都議会自民党は27日、市場に関する都の新年度予算案に対案を出す方針を明らかにした。30日の会期末をにらみ、「都民の最大関心事」と位置づける市場問題で対決姿勢を強めている。
特集:豊洲移転問題
「移転が中断し、迷惑を被ったのは市場業者だけではない。損害を被っておられる方々はどうされるのか」。小池氏と一問一答の質疑があった27日の都議会特別委員会で、自民都議は移転延期が都道建設や関係する流通業者らにも影響を与えているとして、早期移転を迫った。新たな土壌汚染発覚や老朽化が問題になっている築地よりも、豊洲が安全という立場だ。
一方、小池氏は「補償をしっかりやる」と答弁。逆に、豊洲市場の地下水から環境基準を大きく超す有害物質が今年検出された事態を受け、「(昨夏の)移転延期後に出て来た様々な数値が、かつて(都議会の)付帯決議などで設けられた値に届いていない」と述べ、都議会自身が移転へのハードルを上げた過去があることを指摘して自民を牽制(けんせい)した。
自民は2010年、豊洲市場に…