環境省は31日、東京電力福島第一原発の事故で放出された放射性物質を取り除くため、福島県内11市町村の避難指示区域内で進めてきた除染作業が、政府目標の3月末までに終了したと発表した。
一方、避難指示区域以外で、市町村が国の指定を受けて進める除染作業のうち、福島県内12市町村では完了が4月以降にずれ込む。道路や森林での作業が遅れており、一部地域では今秋までかかる見込みという。
環境省は2012年度から除染を担当。当初は13年度中の終了をめざしたが、期間を延長。政府は昨年、放射線量の高い帰還困難区域を除き、除染を今年3月末までに完了させる方針を閣議決定していた。
除染にはこれまで約2・6兆円が使われた。費用は国が立て替え東電に請求するが、今後の帰還困難区域の一部の除染は国費を使う予定だ。