球場周辺に多くの観客が訪れる中、中止の表示が出された=31日午前9時37分、阪神甲子園球場、加藤諒撮影
第89回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)は決勝が予定されていた31日、天候不良のため中止となり4月1日に順延となった。初の「なにわ決戦」を目当てに高校野球ファンが列を作ったが、中止の一報が入ると大きなどよめきが起きた。
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一塁側スタンド近くにいた栃木県那須塩原市の小学6年、江部蓮人(れんと)君(12)は家族3人で夜行列車で甲子園までやってきた。大阪桐蔭の根尾昂選手(2年)のプレーを見たかったという江部君は、「大阪対決は盛り上がると思うので見たい。明日も甲子園に来られるように親に頼みたい」と話した。愛知県東郷町の会社員女性(29)は、早朝から電車や新幹線を乗り継いで駆けつけた。中止発表時に球場周辺で雨は降っていなかったため、「信じられない。明日は仕事で来られません」と涙を流した。
大阪府岸和田市のパート従業員半田恭子さん(56)は、近所に住む履正社の片山悠捕手(3年)の応援にきたという。「気持ちをリセットして欲しい」。大阪桐蔭3年の近井妃さん(17)は、「応援も万全な状態でしたいので良かった。みんなで『てるてる坊主』を作ろうかな」と話した。
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履正社と大阪桐蔭の選手たちは、午前10時から阪神甲子園球場の室内練習場で2時間の練習を行い、仕切り直しとなった決勝に向けて調整した。