埼玉県三芳町にある事務用品通販大手「アスクル」の倉庫で2月に起きた火災で、倉庫内の危険物の総量が、消防法上認められる保管量の数倍に上っていた疑いがあることが捜査関係者への取材でわかった。埼玉県警は7日、消防法違反容疑で同社などを家宅捜索した。商品に使われていたエタノールなど危険物の管理状況などを調べる。
消防法は、貯蔵所などとして許可を受けた場所以外で石油やアルコール類などの危険物を保管する場合、政令で指定された数量以上保管することを禁じている。関係者によると、火災のあった倉庫は貯蔵所の許可は受けていなかったという。
捜査関係者によると、倉庫にはエタノールなどの危険物を使った消毒液などが大量に保管されていた。これらの総量が、認められた量を数倍上回っていたという。アスクルによると、危険物に該当する商品は、700~800種類。トイレ用消臭スプレーなどの売れ筋商品も含まれるという。
県警は7日、アスクル本社と、倉庫の運営管理を担う子会社「アスクルロジスト」(いずれも東京都江東区)を捜索。捜査関係者によると、危険物の保管状況などの資料を押収した。
総務省消防庁などによると、火災は2月16日朝、3階建て倉庫1階の使用済み段ボールの集積場から出火。ほぼ消し止められるまで6日、完全な鎮火まで12日かかり、延べ床面積の6割を超す約4万5千平方メートルが焼けた。県警や消防は、危険物が過剰に保管されていたことで延焼が拡大したり、長期間にわたったりした可能性もあるとみて調べている。
同庁や県警などは、出火原因な…