岸田文雄外相
イタリア中部のルッカで10、11両日開かれた主要7カ国(G7)外相会合に、岸田文雄外相が「最古参」として臨んだ。北朝鮮情勢をめぐる議論で口火を切ったり、議長国から助言を求められたり……。各国の外相らを前に、随所で先輩らしさを見せた。
会合に先立ち記者団に「議論をしっかりリードしていく」と意気込みを語った岸田氏。軍事的挑発を繰り返す北朝鮮を「新たな段階の脅威にある」と認定し、各国の賛同を取り付けた。日伊外相会談では議長を務めるアルファーノ外相から、前回議長として助言を求められた。
岸田氏は2012年末の第2次安倍政権発足時から外相を務める。長期政権になるにつれ、岸田氏も外相会合への出席回数を積み上げた。この間、米英などでは政権が交代し、古株だったロシアもクリミア併合問題で外相会合から「脱落」した。
首脳会合の「常連」となった安倍晋三首相も、「新顔」のトランプ米大統領から意見を求められるという。外務省幹部は「閣僚を長くやるのは、アセット(資産)になる」と話している。(ルッカ=笹川翔平)