大平正芳元首相の墓の前で手を合わせる岸田文雄外相=22日、香川県観音寺市、笹川翔平撮影
岸田文雄外相は22日、香川県観音寺市を訪れ、自身が現在会長を務める自民党の派閥「宏池会(こうちかい)」の元会長、大平正芳元首相の墓参を行った。墓参後、記者団に「宏池会の系譜に連なることを誇りに思い、精進、努力を続ける」と語り、将来の政権を担うことに改めて意欲を示した。
岸田外相、本音封じ首相要請受ける 派閥冷遇を懸念も
岸田氏はこの日、派閥所属の議員らとともに瀬戸内海に臨む大平元首相の墓所を訪れ、墓前に花を手向けて手を合わせた。
大平氏は1910年、香川県和田村(現観音寺市)生まれ。大蔵省を経て池田勇人元首相が結成した宏池会のエースとなり、78年の自民党総裁選では福田赳夫首相(当時)と激しい選挙戦を繰り広げた末、田中角栄氏の支援を受けて首相に。田園都市構想や一般消費税導入を打ち出すなど斬新な政策で注目されたが、福田氏らとの間で激しい党内対立が続く「40日間抗争」にも直面。80年の衆参同日選の最中に急死した。
岸田氏はこの日、記者団に対し、「まさに命をかけて激動の政治に立ち向かっていかれた大平正芳総理の足跡を思うとき、我々自身、まだまだ甘いのではないか、とも考えた」と述懐。池田、大平、鈴木善幸、宮沢喜一と歴代首相を輩出し続けた宏池会について、「宏池会の歴史は権力を求めたものではない。(政権獲得は)現実的に、謙虚に政治に取り組んだ結果だ」という見方を示した。そのうえで「権力に対して謙虚に、国民が政治に何を求めているのかを大事にしながら努力していきたい」と語り、「謙虚」という言葉を繰り返した。
8月3日に予定されている内閣…