10日、国連平和大使に任命され、演説するノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさん(米ニューヨークの国連本部、国連提供)
パキスタン出身のノーベル平和賞受賞者、マララ・ユスフザイさん(19)が10日、米ニューヨークの国連本部で、女子教育の普及に取り組む国連平和大使に任命された。マララさんは演説で「教育は全ての子どもの権利であり、無視されるべきでない」と訴えた。
任命式でマララさんは、会場に集まった大勢の若者に「立ち上がらないと変化は起きない。明るい将来を見たければ、誰かが動くのを待つのではなく、自分で今から動かないといけません」と呼び掛けた。
質疑にも応じた。14歳の少女が夢を実現させるための助言を求めた際、まだ19歳のマララさんが「私が若かった頃は」と話し始めると会場は笑いに包まれた。若くても遠慮せず、自分のアイデアや見解を信じることの大切さを強調した。
マララさんはパキスタンで暮らしていた2012年、ブログなどで女性の教育の権利を訴えていたことを理由に過激派に撃たれて負傷したが、奇跡的に回復して14年にノーベル平和賞を受けた。今は英国で教育を受けながら、難民向けの学校をつくるなど教育機会の普及に努めている。(ニューヨーク=金成隆一)