浅田真央選手の引退について、それぞれの思いを話す宇野昌磨選手(左)と村上佳菜子選手=11日午後、愛知県豊田市、小川智撮影
憧れ、目標、良き理解者。浅田真央選手(26)の背中を追って、多くの選手が滑り始めた。引退を受け、後輩たちはねぎらいと感謝の言葉を口にし、次への決意を新たにした。
特集:ラストダンス
浅田真央の歩み
世界選手権で銀メダルを獲得した宇野昌磨選手(19)と、ソチ五輪出場の村上佳菜子選手(22)。2人は浅田選手と同じ愛知県出身で、名古屋市の「名古屋スポーツセンター」(大須スケートリンク)で滑り、ともに浅田選手の母校の中京大中京高校(名古屋市)、中京大(同)へと進学した。11日、同大豊田キャンパス(愛知県豊田市)で会見した。
「真央ちゃんは最高の友達で、お姉さんで、憧れの人でした」。村上選手は高校進学の際、すでに卒業していた浅田選手から、名前の刺繡(ししゅう)入りのブレザーを譲り受けた。卒業後も大切にとってあるという。
ソチ五輪後、若手選手の追い上げなどに悩んでいた時、「自分らしく滑ればいいんだよ」という浅田選手の助言に救われた。「感謝の気持ちでいっぱい。これからも友人として仲良く出来たらいいな」
宇野選手は5歳の時、遊びに行った名古屋スポーツセンターで浅田選手と出会い、フィギュアスケーターを志した。「僕が今ここにいるのは真央選手がいたから。人生を大きく変えてくれた」と話す。
出会った頃の浅田選手は「身近なお姉さん」。世界的な成功を収めてからも、親しく話しかけてくれた。トリプルアクセル(3回転半)がなかなか跳べずに悩んでいた数年前には、浅田選手がアドバイスしてくれ、ジャンプは宇野選手の武器になった。休みなく練習していた姿が印象に残っている。「努力をしなくてはトップに行けないことを学んだ。これから僕も頑張りますと伝えたい」
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