吉野家=東京都千代田区
吉野家ホールディングス(HD)は11日、傘下の牛丼チェーン「吉野家」で新商品の投入を加速させる方針を明らかにした。他の牛丼チェーンやコンビニとの競争が激化してお客が奪われており、消費者に飽きられない工夫で対抗する。
同日発表した2017年2月期決算の記者会見で河村泰貴社長が明らかにした。今後、1カ月半に1度のペースで期間限定の新メニューや「健康」を意識した商品を投入する。
吉野家の既存店の売上高は、2月まで3カ月連続で前年水準を下回った。一方で、定食などのメニューが充実している「松屋」の既存店売上高はプラス基調だ。河村社長は「商品の改廃サイクルを早め、目新しさが感じられるようにしたい」と話した。
吉野家HDの17年2月期決算は、うどんチェーン「はなまるうどん」などの出店拡大で売上高が前年比1・6%増の1886億円、営業利益が15・6%増の18億円だった。牛肉の仕入れ価格が下がったことなどが利益を押し上げた。ただ、人手不足や店舗増でアルバイトの人件費は約15億円増えた。「採用にかかる費用も毎年増えている」(河村社長)という。(久保智)