ロシアを訪問したティラーソン米国務長官は12日、モスクワでラブロフ外相、プーチン大統領と相次いで会談した。ティラーソン氏は、シリアのアサド政権を支えるロシアに同政権との関係を見直し、内戦終結に向けて国際社会と協力するよう求めたとみられる。アサド大統領の退陣も含めた政治的解決の糸口が見いだせるかが焦点だ。今後の米ロ関係を占うものにもなる。
ティラーソン氏はラブロフ氏と昼食を交えて約5時間会談。夕刻にプーチン氏との会談に臨んだ。
ラブロフ氏はティラーソン氏との会談の冒頭、ミサイル攻撃を「違法だ」と非難した。一方で「米政権の真の意図を知ることが、我々にとって重要だ」と述べ、テロ対策での協力を模索する姿勢も示した。これに対し、ティラーソン氏は「対話は常に開かれている」と述べ、「今後の米ロ関係を定義するため、率直な議論をしたい」と融和的な姿勢を示した。
トランプ政権の閣僚として初のロシア訪問は、両国の関係改善をアピールするはずだった。だが米軍がシリアのアサド政権軍基地にミサイル攻撃したことで、状況は一変した。ティラーソン氏はロシア訪問前、イタリアでの主要7カ国(G7)外相会合でミサイル攻撃への理解を取りつけた。米政府は「ロシアは孤立している」と指摘。ロシアがアサド政権軍の化学兵器使用を事前に認識、あるいは事後の隠蔽(いんぺい)工作に関わった可能性にも踏み込んでいる。
一方のロシアは、アサド政権の…