ハンドボール用のゴールが倒れ、福岡県大川市立川口小学校4年の男児(当時10)が死亡した今年1月の事故で、市の学校安全調査委員会(委員長=石橋良知・前市教育長)は13日、市役所で5回目の会合を開き、記伊哲也教育長に事故の再発防止に向けた提言書を提出した。提言書は「学校全体として安全点検に対する意識が低下していた」と指摘した。
調査委の学校への聞き取りや提言書によると、学校の安全点検マニュアルでは、教室や廊下、運動場などの施設や設備について教職員が毎月安全点検を行い、結果を管理職に報告する決まりだったが、担当の教職員が点検や報告を失念。ほかの教職員も気づかず、管理職も報告を求めなかった。そのため、昨年10月を最後に事故が起きるまで、点検がされなかった。
提言では「点検の質を確保するため、全教職員により、計画的に行うようにする」などとした。記伊教育長は「日ごろから安全点検を心がける仕組み作りをする。提言書を受け改めて事故の再発防止に努める」と述べた。提言書は今後、文部科学省に報告書として提出される。(上田真仁、倉富竜太)