9番で木の下から第2打を放つ上田桃子
女子ゴルフのKKT杯バンテリンレディス(熊本空港CC、6452ヤード=パー72)は14日、第1ラウンドがあり、熊本市出身の上田桃子がただ一人ボギーなしの3バーディー、69で単独首位に立った。2打差の2位に永峰咲希(さき)と昨季デビューの永井花奈(かな)。2年連続の賞金女王イ・ボミ(韓)はイーブンパーで4位。熊本市出身で、この大会に3年ぶり出場の不動裕理は2オーバーで28位につけた。
昨年の大会は、開幕日前夜の14日に発生した熊本地震の影響で中止となり、2年ぶりの開催となった。
■「何があっても下を向かない、と」
アンダーパーはたったの3人。多くの選手が「グリーンが硬い」など、コースの難しさを口にする中、上田桃子が首位に立った。
鍵になったのは9番(パー5)。第1、2打ともに木の近くのラフに打ち込んだが、パーをセーブした。「ミスをしても何とか打てるところに球があった。地元の皆さんの力があるのかな、という感じがした」
地震の影響で熊本市内の実家は取り壊され、土台作りの真っ最中。「でも、地元の人は『やるしかないよ』と。私も、今日は何があっても下を向かない、と決めていた」。熊本にいいニュースを、という気持ちが先行しすぎて成績を落としたという昨年。しかし、「その思いは捨てない。プラスのエネルギーにする」と力強かった。
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イ・ボミ 「久しぶりに楽しくプレーができた。不動さんと回るといつも勉強になる。ミスした後の切り替えとか」
永井花奈 昨年のプロテストトップ合格。「不安なく思い切って回ることができた。ファンのカープが強いのでいい気分」
不動裕理 2バーディー、4ボギー。「グリーンでボールが止まらなかった。18番のバーディーを明日につなげたい」