客が運転支援機能がある試乗車を運転する際、誤った説明をして事故を起こさせたとして、千葉県警は14日、日産自動車販売店の店長(46)と店員(28)の男性2人を業務上過失致傷容疑で書類送検した。
発表によると、店員は昨年11月27日夕、同県八千代市内の市道で、男性客(38)が運転する試乗車の助手席に同乗し、一定の条件下でしか利かない自動ブレーキの機能について、「自動停止するので、ブレーキを踏むのを我慢して下さい」と誤って説明。指示に従った客が赤信号で止まっていた前の車に追突し、2人にけがを負わせた疑いがある。
試乗車の自動ブレーキ機能は雨が降って薄暗く、前方の車が黒っぽい状況では作動しないことがあるとメーカーの説明書には記載してあった。事故発生時は同じ状況だった。店長は店員の理解不足を把握していなかったという。男性客も自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで書類送検された。
運転支援機能がある車の事故は、警察庁が把握している2015年12月以降で今回の事件含め、6件あった。4件が人身事故、2件は物損事故だった。いずれもブレーキが利くと過信し、前方の車に追突したものだった。国土交通省はこれらの車に備わっているのは運転を支援する技術で、自律的に運転してくれるものではないと強調。同省と警察庁は14日、販売店に客への正しい説明を求めるとともに、運転者には過信しないで運転するよう注意を呼びかけた。