2016年リオデジャネイロ五輪の「ビニシウス」(左)とパラリンピックの「トム」。動物や植物をミックスし、ブラジルの多様性と豊かな自然を表現
3年後に迫る東京五輪・パラリンピックのマスコット選定の議論が17日、始まった。大会を彩るキャラクターの誕生までには、幾重ものハードルを乗り越えなければならない。選考過程が不透明との指摘が出たエンブレム問題を踏まえ、オープンな議論を通じて長く親しまれる存在を、との声が上がる。
■検討会議始まる
大会組織委員会がマスコットの選び方を考えるために設置した選考検討会議(宮田亮平座長=文化庁長官)はこの日、東京都内で初会合を開き、委員が事務局から過去の事例の説明を受けた。会議は今後、プロのデザイナー以外からも公募するか検討したり、国民が審査にどう参加するかなどを話し合い、3月末までに募集方法、審査方法を決める。国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)の承認を経て募集、選考に移る。昨夏のリオ大会のマスコットは五輪開幕600日前に発表されたが、東京の発表時期は未定だ。
会議のメンバーは14人で、エンブレム委員会でも座長を務めた宮田氏のほか、タレントの中川翔子さんらが入った。この日は欠席したが、ゲーム「妖怪ウォッチ」を制作したレベルファイブの日野晃博社長や元プロテニスプレーヤーの杉山愛さんも名を連ねた。
■「エンブレムより難しい」
「マスコットはエンブレムよりもはるかに難易度が高く、炎上必至の予感がする」。エンブレム委に続いて今回も委員を務める夏野剛氏(慶大大学院政策・メディア研究科特別招聘(しょうへい)教授)は会議で苦笑した。
当初のエンブレムは模倣疑惑が…