前方の危険を自動車の装置が察知して停止する「自動ブレーキ」の搭載義務化に向け、国土交通省が動き出した。高齢者の事故対策の切り札になるとして、国連の作業部会に国際的な性能基準づくりを提唱。部会は1月、基準策定に着手する方針を決めた。国交省は国際基準ができ次第、法令を改正し、全新型車への搭載義務づけを目指す。
現在、自動ブレーキは国内外のメーカー各社が独自に開発に乗り出し、搭載・販売されている。国交省によると、2015年に生産された新車の45・4%に搭載されていた。ただ搭載は任意のため、統一的な安全基準はなく、メーカーや車種によって性能に大きな差がある。たとえば、全く同じ条件で歩行者に対する停止実験をした場合、人形の前で止まる車と、止まれずに人形をはねてしまうものがあるという。
自動ブレーキは、前方の車や壁などに反応する「対物」と、歩行者に反応する「対人」の2種類に大別される。国連の部会では、両方の安全基準について議論される見通し。国際基準が策定された場合、国交省はそれを新型車販売の条件にするように法令を改正し、最終的に全車への搭載を義務づけたい意向だ。
日本は高齢化に伴い、高齢者ド…