サッポロビールが現在販売している発泡酒の「極ZERO」(サッポロビール提供)
サッポロビールは11日、ビール系飲料「極ZERO(ゴクゼロ)」への課税で国に追加納付した115億円が返還されないのを不服として、国の処分取り消しを求める訴訟を東京地裁に起こした。
サッポロは極ZEROを、ビールや発泡酒より税率が低い「第3のビール」として2013年6月に発売。だが、国税庁が製造方法などから「第3のビールに当たらない」と指摘したことから、14年5月に製造を一時中止し、ビールの税額との差額115億円と延滞税1億円を納付した。
同社は同年7月に、製法や原料の構成などを見直して再発売する一方、国税庁に「旧極ZEROは第3のビールだ」と異議を申し立てた。15年10月には、国税不服審判所に審査請求したが、昨年10月に請求棄却の通知を受け取っていた。同社広報は「外部の専門家の意見も聞いた結果、司法の判断を仰ぐのが適切だと判断した」としている。
ビール系飲料の酒税をめぐっては、酒税法改正で20年以降、段階的に簡素化され、26年に統一される見通し。ビールの税額はいまより安くなり、発泡酒、第3のビールは高くなる。