2015年度のごみ排出量が少ない都道府県トップ5
長野県の1人1日当たりの一般ごみの排出量は836グラム(2014年度比2グラム減)で、2年連続で全国最少だったことが環境省の調査でわかった。県資源循環推進課は「各自治体がごみの削減に積極的に取り組み、県もバックアップできている結果だ」と分析している。
15年度の「一般廃棄物処理事業実態調査」で、同省が13日、結果を公表した。同調査は市町村別のごみ総排出量を定住人口で割って算出している。
県内の市町村別でみると、最も少なかったのは南牧村の326グラム、次いで川上村の327グラム。高原野菜の栽培や家庭菜園が多い両村では、生ごみの収集を行わず家庭で肥料や堆肥(たいひ)として活用しているため、ごみの排出量が少ない。この2村を含めた県内6村(南牧村、川上村、中川村、平谷村、泰阜村、豊丘村)は、人口10万人未満の全国自治体でベスト10位に入った。
一方、県内で最多の排出量は木島平村の1919グラム。14年度より1273グラム増えた。同村では、15年度からキノコ農家から出るおがくずを一般廃棄物として処理し始めたことで大幅な増加となった。次いで軽井沢町の1571グラム、白馬村の1354グラムが続き、観光客が多い自治体では、ごみの排出量が多い傾向だ。
県では「1人1日当たりの一般廃棄物排出量800グラム以下」を掲げている。食べ残しを減らすために、乾杯後30分間は席を立たず食事をし、終了10分前に席に戻り再度食事をする「30(さんまる)・10(いちまる)運動」やレジ袋の削減などを推進している。15年度は善光寺(長野市)の御開帳で観光客が多く訪れたことから、ごみの増加が懸念されたが、全国1位を死守。長野県は08年度から8年連続で5位以内に入っている。
丸山良雄・県資源循環推進課長は「県民に『ごみをなるべく出さない』という意識が浸透しつつある。日本一を維持していきたい」と話した。(辻隆徳)