日本銀行審議委員に就く片岡剛士・三菱UFJリサーチ&コンサルティング上席主任研究員
日本銀行の金融政策を決める政策委員会で、大規模な緩和に慎重だった審議委員2氏が交代する。政府が18日国会に示した人事案で、後任の2人のうち1人は緩和強化を唱える「リフレ派」のエコノミストだ。緩和策の行き過ぎを批判してきた前任の2氏とは対照的で、今後の政策論議に影響を与えそうだ。
政府が審議委員候補として衆参両院の議院運営委員会に提示したのは、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの片岡剛士氏(44)と、三菱東京UFJ銀行元副頭取の鈴木人司氏(63)。国会で同意されれば、7月23日で退任する佐藤健裕氏、木内登英氏の後任として任命される。任期は5年間。
片岡氏は、就任すれば新日銀法施行後で最年少の審議委員となる。積極的な金融緩和と財政拡大で景気回復をめざす「リフレ派」の論客として知られる。岩田規久男副総裁や原田泰審議委員の考え方に近い。
日銀は昨年1月にマイナス金利政策の導入を決め、9月には、国債などを買って市場にお金を流す「量」から「金利」を重視する姿勢に転換した。片岡氏は金利重視の政策に批判的な立場だ。昨秋の朝日新聞の取材に対し、「金利より量を重視すべきだ」と話し、国債などの資産購入をもっと増やすべきだと主張していた。
鈴木氏は国債市場の動向に精通…