レース後、記念撮影に納まる大迫(左)とジュリアン・コーチ
17日、第121回ボストン・マラソン大会で、男子で初マラソンの大迫傑(すぐる、ナイキ・オレゴンプロジェクト)が2時間10分28秒で3位に入った。優勝はジョフリー・キルイ(ケニア)で2時間9分37秒。米オレゴン州で大迫と一緒に練習するゲーレン・ラップ(米)が2時間9分58秒で2位に続いた。
女子はエドナ・キプラガト(ケニア)が2時間21分52秒で制し、車いすの部の男子では山本浩之(Team Heart Space)が3位に入った。
5000メートルの日本記録保持者の大迫は、今年2月の香川丸亀国際ハーフを走った後、ボストンを初マラソンの舞台に決めた。関係者によると、2020年東京五輪を見据えての選択。五輪の選考会がある19年秋まで2年余りとなるタイミングでの、満を持しての挑戦だった。
スタート時の気温が21度まで上がる厳しい環境の中、大迫は33キロ手前でキルイとラップに離されても、そこからペースを上げて追った。練習でも35キロが最長で、その先は未知の世界だったが、最後まで足はもった。オレゴンで大迫を指導するピート・ジュリアン・コーチ(45)は「もちろんトラックも続けるけど、マラソンで五輪に挑戦できるというめどが今日たったと思う。あとはどこかのレースで勝ちたい」と話した。
大迫自身はレース後、「マラソンの適性はあるんじゃないかと思う。(東京五輪に向け)ポジティブに向き合っていきたい」。強い決意をにじませた。(平井隆介)