ベネズエラのカラカスで24日、マドゥロ政権に抗議して治安部隊と衝突するデモ参加者=AFP時事
政治の混乱が続く南米ベネズエラで、反米を掲げる急進左派のマドゥロ政権に対する抗議デモが激しさを増している。3月下旬に政権と近い最高裁が議会の立法権を奪う異例の判断を示したのをきっかけに、全土にデモが拡大。治安部隊との衝突や混乱による死者は24日までに23人に上っており、これまでの混迷にさらに拍車がかかっている。
無理な価格統制や主要輸出品の原油の価格下落で経済が急速に悪化するなか、マドゥロ大統領は批判的な野党指導者を逮捕し、大統領の罷免(ひめん)を求める国民投票の手続きを延期するなど強権的な姿勢を強めてきた。
与党と距離が近い最高裁も、野党勢力が多数を占める議会決議を何度も無効と判断。議会権限そのものを奪った3月の判断は、最終的に国内外からの批判の高まりで削除されたが、憲法を無視した政権の現状は国民の怒りに火をつけた。
4月になって、大統領選の前倒しや民主的手続きの尊重、100人以上に上る政治犯の釈放などを求めるデモが全土に拡大。報道によると、治安部隊は催涙ガスや放水で制圧しているが、デモ参加者や巻き込まれた市民が銃撃で死亡するケースも相次いでいる。24日にも2人が死亡した。
反政府デモに対抗して集まった…