33カ所の間違いが見つかった秋田市洪水ハザードマップの中央エリア版(一部)
秋田市が3月、市内14万戸に全戸配布した洪水ハザードマップのうち、北西エリア版(4万部)と中央エリア版(9万部)に計42カ所、誤った記載があることがわかった。エリア内の幼稚園や医療機関などの施設のデータを、2年前から更新せずに使っていた。市は平謝りで、修正版との交換に応じている。
このマップは、市内を流れる雄物川などが大雨で氾濫(はんらん)したときの浸水想定区域を、水深に応じて色別に表したもの。国が昨年夏に想定区域を見直したのを受け、市は同年10月、マップを作り直す作業を開始。そして920万円をかけて、市内5エリアと市全図の計6種類のマップを計15万部刷り、10年ぶりに全戸に配った。
想定区域には、いざ避難するときに手助けが必要な子どもやお年寄りがいる「要配慮者利用施設」がある。マップでは、それらの施設の所在地に番号を振り、一覧表にして番号と対応する施設名を載せた。
ところが、作業を担当した市の職員が、施設名などのデータを一昨年3月末時点の状態から更新するのを怠ったまま、印刷会社に送ってしまった。その結果、マップを配り始めてから約1週間後、市内の女性から「施設名が間違っている」と苦情電話が来た。
市が改めて確認すると、認定こども園「山王幼稚園・保育園」を、以前の「山王幼稚園」や「山王幼稚園附属さんさん保育園」と表記▽閉鎖した婦人科や産婦人科のクリニックやデイサービス施設を記載▽施設の所在地が違う――など、北西エリア版で9カ所、中央エリア版で33カ所の間違いが見つかった。
市は今月20日、ホームページの防災コーナーで訂正を公表した。修正版との交換を希望する人には、市民サービスセンターやコミュニティセンターなどで応じている。
市防災安全対策課の夏井浩課長は「災害から身を守るために作製しているマップに誤記載をすることはあってはならず、深くおわびする。今後は作業工程を見直し、確認を徹底したい」と話している。(茂木克信)