名古屋城天守木造化に向け、市民団体が寄付の呼びかけを始める。5月に名古屋市の河村たかし市長を招いて決起集会を開く。木造化を唱える河村氏は事業費最大505億円のうち100億円を目標に寄付を募る考え。7月にも木造化専用の基金を設置する方針だ。
集会は「名古屋城天守閣を木造で復元し旧町名の復活を目指す会」の主催。1959年再建の現天守も、費用6億円(市試算で現在の価値106億円)のうち、市民の寄付は2億円に上った。発起人の一人、西区の会社経営、北見昌朗さん(58)は「お城は名古屋のシンボル。寄付を呼びかければ応じる市民は多い」と話す。自身も3月、名古屋城全体の整備に使う市の「名古屋城整備積立基金」に100万円を寄付したという。
市は木造化の事業費を全て市債で賄い、入場料収入で全額返せると見込む。だが河村氏は「善意を集め、市民みんなの手でお城を造る」として寄付を呼びかける考えだ。市長選の演説では、子どもが少額から寄付できる「10円募金」や寄付者の名札を名古屋城に飾るアイデアも披露した。7月にも木造化専用の基金を設け、寄付の受け皿にする。
工事中の名古屋城本丸御殿の復元には企業や市民の寄付金50億円が充てられている。河村氏は24日の記者会見で「天守はその倍くらいあってもいい」と寄付100億円を目標に掲げた。
集会は5月14日午前9時半から中区役所大ホールで。無料で事前申し込みは不要。(諸星晃一)