防衛省や米国防総省からの軍事に応用できる基礎研究への助成について、東京工業大が今年度の応募を認めない方針を決めたことが27日、わかった。日本学術会議が、軍事研究に関する否定的な声明を出したことを受け、助成の応募要領を見直す議論を始めるためだという。
東工大はこれまで、研究成果を公開する原則などが守られている場合、研究者が希望すれば助成を容認していた。米国防総省から人工知能の研究などで9件計5800万円、防衛省からも助成を受けている。
しかし、日本学術会議が3月、研究成果が軍事目的に転用されうる場合「研究資金の出どころなどに関する慎重な判断が求められる」との新声明を決定。東工大も新声明を尊重し、要領を見直す作業部会を立ち上げる。結論が出るまで研究者に対し、助成への応募を認めない方針を決めた。(杉本崇)