出港前の護衛艦「いずも」=1日午前8時44分、神奈川県横須賀市の海上自衛隊横須賀基地、前田基行撮影
安全保障関連法に基づいて、平時から自衛隊が米軍の艦船などを守る「武器等防護」の初任務を稲田朋美防衛相から命じられた海上自衛隊の護衛艦「いずも」が1日午前、海自横須賀基地(神奈川県横須賀市)を出港した。
海自艦、初の米艦防護へ 四国沖まで、安保法制に基づき
米軍からのニーズが高かった任務で、自衛隊法に基づき、防護のために自衛官は必要最小限の範囲で武器を使える。昨年11月から12月にかけて南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊の部隊に「駆けつけ警護」の任務が加えられたのに続き、安保法制に基づく自衛隊の任務が本格化する。
政府関係者によると、いずもは房総半島沖周辺で米海軍の補給艦と合流し、四国沖までこの補給艦を守りながら一緒に航行する計画とされる。
この補給艦は、北朝鮮による弾道ミサイル発射への警戒をはじめ、日本近海で情報収集などをしている米太平洋艦隊の艦船に補給する見通し。4月29日に対馬海峡から日本海に入った米海軍原子力空母カールビンソンの艦隊に補給する可能性もあるという。
いずもは四国沖で補給艦と分かれた後、護衛艦「さざなみ」(海自呉基地所属)と合流。海自によると、2隻の護衛艦は5月15日にシンガポールで開催される国際観艦式に参加するため、シンガポールに向かうという。(土居貴輝)