トランプ米大統領=ランハム裕子撮影
トランプ米大統領は1日、米ブルームバーグ通信のインタビューに対し、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長について、「私にとって適切なものであれば、当然、会談をすることを光栄に思う」と語った。ただ、会談は「適切な状況下で行われることになる」とも強調した。トランプ氏が就任後、米朝首脳会談に前向きな発言をしたのは初めて。
日本側、静観の構え トランプ氏の「正恩氏と会談」発言
緊迫、北朝鮮情勢
トランプ政権は、北朝鮮に核・ミサイル開発を断念させるために軍事力行使の可能性を含めて圧力をかけている。一方で、政権が先月示した新たな北朝鮮政策では、「対話はオープンだ」として外交交渉を模索する方針も打ち出した。トランプ氏の発言は、核放棄などの進展があれば会談を受け入れる姿勢を示したものとみられる。
これまで北朝鮮との首脳会談をした現職の米大統領はいない。今回のインタビューでトランプ氏は、金委員長との会談について「ほとんどの政治家は絶対に口にしないだろう」と指摘した。トランプ氏は、選挙キャンペーン中には、金委員長と「話がしてみたい。彼と話をすることは何の問題もない」と語っていた。
ただ、ホワイトハウスのスパイサー報道官は同日の会見で、トランプ氏の発言について、米朝首脳会談の条件は「現時点でこうした要件が満たされていないことは明白」とし、現状での会談の可能性を否定した。(ワシントン=峯村健司)