トランプ米大統領は16日、トルコのエルドアン大統領とホワイトハウスで初会談した。両大統領は、対テロで更なる連携の強化を強調した一方で、エルドアン氏は米国によるシリアのクルド系武装組織への支援に不快感を示した。
トランプ氏は会談後、エルドアン氏と並んで記者会見し、「我々はトルコのテロとの戦いを支援していく」と述べた。過激派組織「イスラム国」(IS)とトルコのクルド人の非合法組織「クルディスタン労働者党」(PKK)を名指しし、「やつらに安全な場所をなくすことを確実にする」と誓った。
だが、トランプ政権はシリアでISと戦うクルド人武装組織「人民防衛隊」(YPG)への武器供給を9日に発表したばかり。トルコは、YPGを国内で爆破テロを繰り返すPKKの派生組織としてテロ組織に指定している。
エルドアン氏は会見で、「我々は両国関係を拡大する決意をした」と友好ムードを演出。だが、YPGに関しては、「絶対に許容できない」とし、武器供給への直接的な言及を避けながらも牽制(けんせい)した。
米国にとっては、戦闘力が高く、規律もあるYPGは対ISで欠かせない。トルコ側はこれまで武器供給の撤回を求めていたが、今回の会談で溝は埋まらなかったとみられる。(ワシントン=杉山正)