熊本市で地震が相次いでいた昨年4月17日、避難所となっている熊本国府高校のグラウンドに「カミ(トイレットペーパー) パン SOS 水 コクフ」と、パイプ椅子を並べたメッセージが書かれていた
熊本地震についての検索データを活用し、災害時の支援や防災にいかそうとするイベントが28日、熊本市の熊本大学工学部百周年記念館で開かれる。熊本大や弁護士、ボランティア支援団体など五つの専門家チームが、インターネット検索大手・ヤフーの検索データを元に災害時の課題を分析し、解決策を提案する。入場無料で、事前の申し込みは不要。
特集:検索データが語る熊本地震
イベントでは、ヤフーが持つ、地震発生後1年間の検索データを使う。これまでの情報収集の手段では見えにくかった被災地のニーズを、検索データを使うことで可視化し、それぞれの立場から防災の新しい取り組みとして考えることが狙いだ。
参加するのは、被災地の復興業務に携わってきた熊本大の研究者、被災者の法律相談に応じている弁護士、地震発生後に大規模避難所の運営をした地元のYMCA、ボランティアの支援団体ネットワーク「JVOAD」と朝日新聞記者らの計5チーム。各チームは事前にヤフーから提供を受けた検索データを分析。災害時の支援や防災にどのように生かすことができるか、解決策を発表する。
発表内容は、計量政治学が専門の政治学者でもある蒲島郁夫・熊本県知事が講評する。
イベント「熊本地震×検索データ 支援・防災にいかすには?」は、ヤフーと朝日新聞社が主催。熊本大学工学部、熊本大学くまもと水循環・減災研究教育センターが共催、熊本県が後援する。日時・会場などは以下の通り。
【日時】5月28日午後2~午後5時(受け付け開始は午後1時半から)。
【場所】熊本大学黒髪キャンパス 工学部百周年記念館(熊本市中央区黒髪2丁目)。会場には駐車場がありませんので、公共交通機関をご利用ください。会場近隣施設にある駐車場の無断使用もご遠慮ください。
【参加する専門家チーム】
・熊本大学チーム
各専門分野を生かし、熊本地震の被災地の実践的な支援や復興業務に携わってきた研究者ら。
・弁護士チーム
熊本で被災者の法律相談に応じている鹿瀬島正剛弁護士と東日本大震災で4万件の相談内容を分析した岡本正弁護士。
・YMCAチーム
熊本県益城町と御船町で大規模避難所運営を経験。避難所閉鎖後は仮設団地の巡回など復興支援活動を継続中。
・JVOADチーム(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク)
全国の災害ボランティアなど支援者間の連携をはかるネットワーク。熊本地震では情報共有の場である「火の国会議」を開催。
・朝日新聞社 記者チーム
熊本総局や高知総局、社会部、デジタル編集部などの記者、デザイナーで構成。