国家戦略特区諮問会議資料の原案と実際
学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設について、国家戦略特区での事業者の選定に関する内閣府の「原案」とされる文書が22日、明らかになった。原案では、他の学校法人も応募可能な要件だったが、最終案では、実質的に加計学園しか応募できない内容となっていた。原案通りだった場合、同じく設置を目指していた京都産業大(京都市)も応募できていた可能性がある。
特集:加計学園問題
22日の参院決算委員会で共産党の小池晃議員が指摘し、記者会見で公表。朝日新聞も同じ文書を入手した。
内閣府の最終案では、獣医学部の設置場所について「広域的に獣医師系養成大学の存在しない地域に限り新設を可能とする」とされ、昨年11月9日の国家戦略特区諮問会議(議長・安倍晋三首相)で決まった方針にも盛り込まれた。だが、原案とされる文書では、「広域的に」「限り」の部分がなかった。
獣医学部の新設をめぐっては、京産大も京都府綾部市内での設置を計画。政府の特区ワーキンググループのヒアリングを受けていた。
小池氏は、原案に「広域的に」などの文言が追加されたことで、「(同じ関西圏の)大阪府立大に『獣医学類』があるため、断念せざるをえなくなり、加計学園に一本化された」と指摘した。加計学園が獣医学部設置をめざす四国には獣医学部はない。
これに対し、山本幸三・地方創…