カネボウの美白化粧品を使い、肌がまだらに白くなる「白斑(はくはん)」症状が出たとして、愛知、岐阜両県の30~70代の女性14人が同社を相手取り、計約1億9100万円の損害賠償を求めた集団訴訟が22日、名古屋地裁で和解した。賠償額は明らかにしていない。原告側の弁護団によると、再発防止に取り組むことをカネボウが約束する内容が盛り込まれたという。
和解後の記者会見で、弁護団は「白斑は治らない状態でつらいが、区切りがついてほっとしている」「原因究明、再発防止に尽くしてほしい」といった原告のコメントを読み上げた。一方、カネボウは「発症されたお客さまへの回復支援と補償対応を、全社をあげて誠心誠意行ってまいります」とのコメントを出した。
白斑症状は、原因成分とされる「ロドデノール」を含む化粧品の使用者が相次いで発症し、同社が2013年に回収を発表した。
弁護団によると、全国16地裁に起こされた集団訴訟のうち、和解成立は8地裁目。カネボウによると、4月末現在、症状が確認されたのは1万9592人で、うち1万7123人が和解に合意したという。