東京電力は22日、福島第一原発2号機の原子炉圧力容器の直下に溶け落ちたとみられる核燃料(デブリ)を確認するため、今年度中に遠隔カメラによる再調査をすると明らかにした。原子力規制委員会の検討会で調査方針を示した。
2号機の格納容器内の調査は今年1~2月にも行われた。調査ロボットが堆積(たいせき)物に阻まれて途中で走行不能に陥った一方、棒の先端に遠隔カメラを取り付けて差し入れる調査では、溶けた燃料のような黒い塊を詳細に撮影できた。だが、棒が短かったため圧力容器の手前までしか達することができなかった。
このため、東電はさらに数メートル長い棒に遠隔カメラを取り付けて、圧力容器の直下までカメラを差し入れることを狙う。カメラを下に向け、溶けた燃料がたまっているとみられる格納容器の底の様子を撮影する方針だ。
溶けた燃料の量や広がりといった情報は、来年度にも取り出し方法を決める際の判断材料として欠かせない。だが、燃料はいまだに直接確認できていない。東電の担当者は「ロボットは足回りに堆積物がくっついて得策でない。遠隔カメラのようなシンプルなやり方の方が情報を取りやすい」と話した。(富田洸平)