福岡空港税関支署が大成牧生被告らの身体検査をした際の写真パネル=4月、一條優太撮影
「小遣いになれば、と軽い気持ちでやってしまった」――。金の延べ棒3キロを股間などに忍ばせて密輸しようとしたとして、関税法違反(無許可輸入未遂)などの罪で起訴された大阪市交通局職員、大成牧生被告(54)の初公判が23日、福岡地裁であった。大成被告は起訴内容を認めたうえで、後悔の心境を述べた。
検察側は冒頭陳述で、大成被告がパチンコ仲間の男に密輸を持ちかけられ、昨年11月~今年2月に計3回、韓国から密輸したと指摘。その手口は、韓国・仁川国際空港内のフードコートで金の延べ棒を受け取り、トイレで股間や足の裏に隠して日本へ帰る、というものだったと明かした。
4回目となる3月21日に、韓国から福岡空港に到着した際、金の延べ棒計3キロ(1350万円相当)を股間などに隠していたのが見つかったとされる。
大成被告は被告人質問で「最初は抵抗があったが、回数を重ね、4回目は『(検査を)抜けたらええんや』と(思った)」と説明。指示役の男性からは「言う通りやれば捕まらない」と言われたという。
1回の報酬は14万円だったが、旅費などは自己負担のため、実質的なもうけは6万~8万円程度。「全然割に合わない」といい、「家内や子どもたちに謝りたい。二度としません」と声を詰まらせて語った。(一條優太)