アカミミガメが目立つ逢妻男川。天気のいい日は甲羅干しをしている=豊田市花園町
愛知県豊田市の南西部を流れる逢妻女(あいづまめ)川と逢妻男(お)川で6月、住民ら約250人が外来種アカミミガメ(ミドリガメ)を一斉に駆除する。専門家らの調査で、二つの川に生息するカメの6~8割はアカミミガメで占められ、生物の多様性が脅かされているという。駆除を通じ、「外来種の生き物を捨てない」という啓発にもつなげる方針だ。
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駆除は女川の14・5キロと男川の8キロの区間で行う。豊田市の矢作川研究所を事務局に、実行委員会をつくり、川沿いの住民らが参加する。環境省が効果的な駆除方法を探るプロジェクトを始めており、モデル事業として取り組む。
駆除に先立ち、昨秋、二つの川の対象区間で生息状況を調べた。目視で女川で250匹、男川で175匹のカメを確認。ドローンを使った空撮映像では、男川の5・9キロの区間だけで349匹のカメを確認した。大半はアカミミガメとみられる。
定点での捕獲調査では、男川(広田町付近、計161匹)では、8割がアカミミガメで、残りがニホンイシガメなど在来種だった。女川(田町付近、計32匹)では、6割超がアカミミガメだった。
実行委の委員会長で、愛知学泉大の矢部隆教授(動物生態学)は「国内ではアカミミガメが6割強を占めるとされ、それよりも多い。新たに捨てられたというより野外繁殖の結果、ここまで増えたと考えられる」と説明する。
調査ではアカミミガメは流れの…