学生たちに家業を継いだ経験を語る「シューズ・ミニッシュ」の高本泰朗さん(手前)=4月27日、大阪府吹田市の関西大、沢木香織撮影
中小企業の後継ぎ不足が深刻化する中、家業を継いだ上で経営資源を生かし新たなビジネスを起こす「ベンチャー型事業承継」が注目されている。関西大(大阪府吹田市)は今年度、親が中小企業を経営する学生を対象に、ベンチャー型事業承継をテーマにした授業を開講中だ。「後継ぎ=受け身」のイメージを変え、若者の視野を広げる狙いがある。
4月下旬、関西大の「今ある経営資源で生み出すイノベーション ベンチャー型事業承継講座」には、大阪市生野区で靴の製造販売を手がける「シューズ・ミニッシュ」の高本泰朗社長(41)が講師に招かれた。
高本社長は23歳で靴製造の下請けをしていた父の会社に入社。下請けをやめ、自社ブランドを立ち上げた。35歳で後を継ぎ、インターネットや通販など新たな販路の開拓が実を結び売り上げを伸ばした。「父がいたから色々な体験ができた。昔は『2代目のボンボン』って言われるのが嫌だったけど、今は胸を張って言える」
企画したのは、中小企業を支援…