(27日、中日4―2ヤクルト)
若手顔負けの42歳と36歳の必死なプレーが、中日を約1カ月ぶりの最下位脱出へと導いた。
同点の八回、球界最年長の岩瀬がマウンドへ。先頭の雄平へのシュートが抜け、頭をかばった右腕に当たった。頭部への危険球で退場かと、球場は騒然とした。だが、7回2失点と力投した又吉から受けたバトン。「死球を引きずるわけにはいかない」。続くバレンティンを内角直球で遊ゴロ併殺打に打ち取った。
結果的にこの回を3人で切り抜けると、その裏、勝ち越し劇が待っていた。
殊勲打はサヨナラ勝ちした前夜に続き藤井。無死一塁、追い込まれてからフォークを振り抜いた。打球は右中間を深々と破る。二塁を回ったところで「36歳(という年齢)を感じた」が、構わず三塁を目指す。これが相手の中継プレーの乱れを誘った。遊撃手の悪送球が三塁ファウルゾーンを転々とする間に、右拳を突き上げながら本塁を駆け抜けた。
1026日ぶりの白星がついた岩瀬だが「チームが勝つことが一番」とそっけない。「結果がすべて」と背水で臨むシーズンだ。それを知るだけに、藤井は「大先輩に貢献できてうれしい」と喜んだ。
「日替わりでヒーローが出てきてくれれば」と口にしてきた森監督は「まだまだ投げられるところを見せてくれれば、我々も助かる」。どん底からの反攻へ、戦力は整いつつある。(金島淑華)