主な「非自民」知事と自民党の構図 全国最多の7選に挑む「非自民」の知事に、国政で1強を築く安倍政権ががっぷり四つの戦いを挑もうとしている。問われるのは知事の多選、そして原発の再稼働への向き合い方だ。 「知事の権限はものすごく大きくなっている。だから多選の首長の不祥事がたくさん出てきたんです」 4月上旬、水戸市内であった自民党茨城県連主催の講演会。壇上に立った菅義偉官房長官はこう檄(げき)を飛ばした。目的は、今秋に予定される茨城県知事選に自民党が擁立した、元経済産業省官僚で動画配信大手「ドワンゴ」役員の大井川和彦氏(53)のお披露目だ。 菅氏は「知事は3選まで」とクギを刺した。念頭に置くのは、7選をめざし立候補を表明した橋本昌知事(71)。「多選」を争点に切り崩しをはかる構えで、中旬には石破茂前地方創生相も水戸市に入り、同様に多選批判を展開した。 旧自治省官僚だった橋本氏は当初、自民と二人三脚で県政を進めたが、5期目の選挙戦で自民県連が多選を理由に推薦を見送って元官僚を擁立。だが橋本氏が圧勝した。6期目は自民県連が候補者擁立を見送ったため、8年ぶりの「保守分裂選挙」再来となる。 半年近くも先の地方選挙に政権の重鎮が相次ぎ足を運ぶのは異例だが、橋本氏は多選批判を受け流す。記者会見で多選の是非を問われても「権力の座にいるという感覚を持ったことがない。知事だからたくさんの権限があるが、それを県民の立場で執行するのが私の仕事だ」とかわした。 |
多選の是非論が過熱、埋もれる政策論 今秋の茨城知事選
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