物語の舞台となった新花巻駅を見上げる小原良猛さん(左)と高橋修さん=花巻市矢沢
東北新幹線の新花巻駅と、東北線の花巻駅はなぜ離れているのか――。岩手県の新花巻駅が東北新幹線の計画から外され、市民運動の末にできた請願駅だからだということを知らない人は多い。新花巻駅の事実を知ってもらおうと、有志で製作した映画が28日に花巻市で初めて上映される。
特集:テツの広場
「今日は新幹線の発表日だよ。花巻はどうなるかな」。映画の中の1971(昭和46)年10月、東北新幹線の停車駅の発表を心待ちにする人たち。「一関、北上、盛岡です。花巻は言いません」「なにっ」「市長は何してんだ」。なごやかな酒宴が一変する。
当時、多くの花巻市民も映画の人物と同じように落胆を味わった。国鉄から東北新幹線の工事計画が発表された際、花巻の名前はなかった。合併前の旧花巻市は盛岡、釜石に次ぐ人口規模。落選するはずがないと思われていた。
すぐに市民が駅設置を求めて立…