関西経済連合会は29日の総会で、副会長を務めていた住友電気工業の松本正義社長(72)を会長に選んだ。新体制は、2025年の大阪開催をめざす国際博覧会(万博)やカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致などに力を入れる。
関経連のトップ交代は6年ぶりで、住友電工からは20年ぶり。松本氏は総会後の記者会見で「関経連が日本の発展のリード役になれるようにしたい」と抱負を述べた。万博とIRについては「政府や他の経済団体とも連携して、全力で取り組みたい」と語った。
松本氏は「自動車産業のような大きなものではなく、関西らしい、多様化した産業群を育てていきたい」とも述べ、中堅・中小企業にも関経連の会員になってもらうよう呼びかける考えを示した。
副会長14人のうち4人は新任で、関西電力の八木誠会長(67)、クボタの木股昌俊社長(65)、三菱UFJフィナンシャル・グループの園潔会長(64)、JR西日本の真鍋精志会長(63)を選んだ。
JR西が副会長職に人材を出すのは12年ぶり。05年4月の宝塚線(福知山線)の脱線事故後、財界活動を控えていた。真鍋氏は「(北陸新幹線の大阪延伸など)関西でインフラ整備のプロジェクトがあり、意見を出したい」と語った。(笠井哲也)