昨年の米大統領選へのロシアの介入を調査している米上院情報委員会は1日、解任された連邦捜査局(FBI)のコミー前長官の公聴会を8日に行うと明らかにした。コミー氏がトランプ氏による司法妨害疑惑について証言するかが焦点になる。
公聴会は午前10時から公開で行われ、午後1時から非公開で続けられるという。コミー氏が公の場に姿を現すのは解任されて以来初めてで、政治ニュースサイト「ポリティコ」は「今回の公聴会はここ数年間で最も待望された米議会のイベントの一つ」とした。
FBIは議会の調査とは別に、ロシアとトランプ氏陣営との癒着を捜査。トランプ氏は5月9日に、捜査を指揮していたコミー前長官を突然解任した。さらに、解任以前に、トランプ氏が、コミー氏にフリン前大統領補佐官への捜査を打ち切るように直接求めた司法妨害の疑いが出ている。
CNNは1日、関係者の話として、コミー氏がトランプ氏から捜査打ち切りを要請された際の会話を証言する見込みだと伝えた。ただ、FBIが捜査中のロシアとトランプ氏陣営の関係について、具体的に証言する可能性は低い。
解任に至るまでのトランプ氏からの捜査への「圧力」の存在に言及し、司法妨害疑惑の詳細を語れば、政権にとって大きな打撃になる。(ワシントン=杉山正)