準々決勝で石川を破った丁寧。準決勝で平野と対戦する=AFP時事
ドイツ・デュッセルドルフで開催されている卓球の世界選手権個人戦で、女子シングルスとして日本勢48年ぶりのメダルを確定させた17歳の平野美宇(エリートアカデミー)。日本時間3日夜の準決勝で、世界ランク1位の丁寧(中)と対戦する。「中国選手を完全に超える」という目標を掲げる平野に対し、中国勢も対策を練っている。
平野は4月のアジア選手権準々決勝で丁寧と対戦し、3―2(5ゲーム制)で勝った。だが、丁寧は昨年のリオデジャネイロ五輪でシングルスと団体の2冠。卓球王国のプライドをかけてぶつかってくるだろう。
丁寧を始め、中国勢はアジア選手権に敗れてから1カ月半、平野を徹底的に研究している。今大会も採用された規則的に跳ねる日本製の公式球を数百ダース取り寄せ、猛練習。平野対策として、背格好やプレースタイルを似せた「コピー選手」を4人養成して、打ち合ってきたという。
相手が研究してくるのは、平野も織り込み済みだ。でも、決して意に介さない。「自分は右利きで、特徴もない。どこにでもいる『あるある卓球』なんですよ。どれだけ警戒されるかを見るのは、楽しみ」と言って笑わせる。立ち上がりから、フォア、バックともに強打を連打する超攻撃的な卓球が貫けるかが、鍵となる。
今大会は7ゲーム制。心と体のスタミナも問われる。(前田大輔)