韓国に搬入された米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD(サード))6基のうち、4基について文在寅(ムンジェイン)大統領に報告されなかった問題の影響で、文政権の発足から1カ月弱で米韓関係がきしんでいる。米側は、文政権が事前協議なしに報告の不備を発表したことに不信感があるようだ。配備の完了を危ぶむ見方も出ている。
THAAD追加搬入、文大統領が不快感 真相調査を指示
複数の米韓関係筋によれば、米軍は4月下旬、韓国に展開するTHAAD1個砲兵部隊の発射台全6基を韓国内に搬入。配備先の慶尚北道星州(キョンサンプクトソンジュ)で6基すべてを展開できる用地の整備や電力の供給設備が追いつかず、2基を先行配備して稼働した。4基は韓国西部の米軍基地に保管している。
THAAD配備をめぐって韓国内には賛否両論がある。米韓は昨年7月にTHAAD配備で合意。米韓地位協定によれば、追加措置は必要ないが、米側は文政権の慎重姿勢を尊重し、並行して行う環境影響調査や文政権が希望する国会の同意などの状況を見極めながら、4基の配備を進める考えだった。
だが、韓国大統領府は5月30…