十一回に勝ち越しの3点適時三塁打を放ち、三塁上で喜ぶ中部大の下村
第66回全日本大学野球選手権第2日は6日、東京ドームなどで1、2回戦計6試合があり、4年ぶりの優勝を目指す上武大(関甲新)と初出場の岐阜経大(東海地区)が8強入りを決めた。
上武大は福井工大(北陸)に3―0から追いつかれ、延長十回タイブレークで辛勝。岐阜経大は与座(4年、沖縄尚学)が石巻専修大(南東北)を1安打完封した。
四国学院大(四国地区)も小久保(4年、鹿児島玉龍)が東北福祉大(仙台六)をシャットアウトし、12年ぶりの勝利を挙げた。昨年4月の熊本地震で被害を受けた東海大九州(九州地区南部)は1点差に詰め寄ったが、突き放された。
◇
■2回戦
上武大5―4福井工大、岐阜経済大1―0石巻専修大
■1回戦
四国学院大1―0東北福祉大、大商大2―1京都学園大、天理大8―5東海大九州、中部大4―1近大工学部
■中部大、首位打者の一振りで延長制す
9年ぶり出場の中部大が延長戦を制した。試合を決めたのは愛知大学野球春季リーグ首位打者の下村(3年、敦賀気比)だ。同点の十一回2死満塁。直球に詰まらされたが、打球は二塁手の脇を抜け、右中間への3点三塁打になった。
延長は1死満塁から始まるタイブレーク。だが、下村は「気負うことはなかった」。初球のファウルで「相手の球を見られた」と冷静さも見せた。2014年夏の甲子園4強メンバー。緊迫した場面で力を発揮できるのは「大舞台の経験が大きい」と分析する。
リーグ戦で打率4割5分2厘と打ちまくった7番打者は「今日も打撃の調子は良かった」。一方で「体調が……」。冷房をつけたまま寝たせいで、前日38度の発熱。試合後はせき込んでいた。「自業自得」と苦笑いしたあと、「体調が良くなればもっと打てます」と自信たっぷりに言った。