中野さんが着ていた背番号15のユニホームを持ち、全日本出場を喜ぶ浜口雄大選手(左)ら=長良川球場(小森茂監督提供)
神宮球場などで5日に開幕した第66回全日本大学野球選手権大会に、岐阜経済大(大垣市)が初出場する。3年前、入部後、間もなく交通事故で亡くなった中野宏紀さんの思いを胸に、選手たちは夢舞台に挑む。
岐経大は、アンダースローのエース与座海人主将や技巧派左腕の栄野川盛隆選手、最速152キロの浜口雄大選手ら4年生投手が安定し、春の公式戦では1試合あたり平均1・15点しか奪われていない。盤石の投手陣と同級生だった中野さんはエース候補として将来を嘱望されており、小森茂監督(51)は「1年春から登板し、頭一つ抜けた子。順調にいけばプロ注目の投手になっていた」と振り返る。
香川県立三本松高校出身の中野さんは、マウンド度胸と躍動感あるフォームが特長だった。ほれ込んだ小森監督が声を掛け、岐経大に進学。だが、2014年5月2日夜、銭湯から下宿先まで原付きバイクで走っていた中野さんは電柱に衝突し、意識不明で病院に運ばれた。小森監督と当時監督だった上田和宏コーチ(40)は連日見舞いに訪れたが、8日後に亡くなった。
「中野を全国へ連れて行こう」…