日本被団協の総会で発言する田中熙巳事務局長(中央)=6日午後、東京都千代田区神田淡路町、真野啓太撮影
被爆者の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)」の定期総会が6日、東京都内で始まった。核兵器禁止条約の交渉会議が15日から米国で再開されるのを前に、「これまで以上に被爆の実相を語り伝える重要な役割を果たす」方針を確認。総会2日目の7日、被爆者を米国に派遣することを報告する。
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渡米するのは、広島で被爆した箕牧(みまき)智之さん(75)と藤森俊希さん(73)、長崎で被爆した川副(かわぞえ)忠子さん(73)と和田征子(まさこ)さん(73)の計4人。現地で自身の被爆体験や、核兵器禁止条約の必要性を訴える。
先月公表された条約の原案には「ヒバクシャの苦難を心に留める」と盛り込まれた。ただ、核保有国や「核の傘」に頼る日本政府は交渉に参加していない。
日本被団協の代表委員、岩佐幹三さん(88)は総会で、「歴史が動こうとしている。(条約の)実現を見守るのではなく支える大きな運動をしたい」と語った。事務局長の田中熙巳(てるみ)さん(85)は退任の意向を表明。新体制は7日に決まる。(岡本玄、左古将規)