「国連会議に被爆者を派遣したい!」と書かれたクラウドファンディングのトップページ(ヒバクシャ国際署名推進連絡会提供)
核兵器禁止条約の交渉会議に、ヒバクシャを送りだそう――。米・ニューヨークの国連本部で6月に再開する条約交渉会議に一人でも多くの広島・長崎の被爆者を参加させようと、東京の市民団体がインターネットを通じて出資者を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。
特集:核といのちを考える
核兵器禁止条約と国際署名
呼びかけているのは、核廃絶を訴える署名活動を国内外で続ける「ヒバクシャ国際署名推進連絡会」。CFサービス大手「CAMPFIRE」を利用し、「核兵器を禁止するための国連会議に被爆者を派遣したい!」と銘打って、29日まで募る。連絡会としては現在、日本被団協事務局次長で長崎で被爆した和田征子(まさこ)さん(73)を派遣する予定だが、さらに2人を派遣するため、計100万円を目標としている。
今年3月末の交渉会議には、日本被団協を代表して藤森俊希事務局次長(73)が参加。広島での被爆体験を語り、「同じ地獄をどの国の誰にも絶対に再現してはならない」と訴えた。6月15日に始まる次回会議は日程が3週間余りと長く、費用がかさむ点がネックだった。連絡会でキャンペーンリーダーを務める明治学院大大学院生の林田光弘さん(25)は、「世界の指導者に、被爆者の声を届けたい」と話す。