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88歳、執念のディレクター 南太平洋のヒバクシャ追う

作者:佚名  来源:asahi.com   更新:2017-6-8 18:52:32  点击:  切换到繁體中文

 

写真・図版


自分の染色体異常について訴える元ニュージーランド海軍兵(左)と鈴木昭典さん=テレビ朝日提供


南太平洋などで繰り返された核実験で被曝(ひばく)し、健康被害を訴える住民の証言を追うドキュメンタリー「もうひとつのヒロシマ~88歳ディレクター 執念の取材~」が、11日からテレビ朝日系で放映される。大阪のドキュメンタリー番組制作者の鈴木昭典(あきのり)さん(88)が昨夏から現地を取材した。


特集:核といのちを考える


昨年8月6日、鈴木さんは真冬のニュージーランド・クライストチャーチ市内の公園で開かれた「ヒロシマ・デー」に参加した。200人ほどの人が、広島に原爆が投下された午前8時15分に合わせて祈りを捧げていた。会場には、広島市街の惨状を伝える写真が何枚も展示されていた。


被爆者の追悼と平和を願うこの集会は1947年から続く。第2次世界大戦の終戦直後に山口県に進駐したニュージーランドの兵士が広島へ足を運び、目の前の惨状を祖国に伝えたことに端を発するという。


しかし、鈴木さんは南太平洋にも「ヒロシマ」があることを知る。今年3月下旬から約2週間、ニュージーランドや仏領ポリネシアのタヒチを訪問。戦後、英仏による核実験に携わった元兵士や労働者を始め、多くの被曝者が存在していた。染色体異常やがんなど、子や孫の健康被害を訴える人もいた。実験から数十年経った今も、苦しみは消えていなかった。


ニュージーランドは87年、核搭載可能艦船の寄港禁止などを盛り込んだ「非核法」を制定した。経緯を知るジェフリー・パルマー元首相は番組で、今月15日から米ニューヨークの国連本部で再開される「核兵器禁止条約」の交渉会議への不参加を決めた日本政府の姿勢を知り、「ニュージーランドにとって悲しいことだ」と述べている。


鈴木さんは29年生まれ。朝日放送の社員時代から、一貫して昭和史や憲法などをテーマにしたテレビドキュメンタリー制作に携わってきた。「核実験がもたらした惨状を、被爆国である日本の人たちにも知ってもらいたい」と話す。


番組は11日から放映が始まる。地域によって放映日時が異なる。関西では朝日放送で11日午前5時20分から。(辻村周次郎)




 

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