参院本会議で、天皇陛下の退位を実現する特例法が可決、成立した=9日午前10時12分、岩下毅撮影
天皇陛下の退位を実現する特例法案についての9日の参院本会議の採決は、自由党が退席したものの全会一致となった。法案提出前から協議してきた各党幹部からは歓迎の声とともに、皇族減少対策など今後の課題への言及もあった。
天皇退位の特例法、参院で可決成立 退位は明治以降初
特集:これまでの退位をめぐる議論
大島理森衆院議長ら衆参の正副議長は成立を受けて記者会見。大島氏は「百%に近い方々の賛同を得た。国民の総意に近いものだ」と語った。
協議に当たった自民党の高村正彦副総裁は記者団に、特例法が将来の退位の先例になるとの認識を示した上で、「どの天皇にも適用される恒久法を、と主張していた方にも理解された」と強調した。
公明党の井上義久幹事長は記者会見で、政府に対し「国民生活に影響がないようにきちんと手続きしてほしい」と指摘した。
民進党の蓮舫代表は「立法府のとりまとめを受けて政府が提出した法案が成立すること自体に大きな意義があり、憲政史上に残る成果だ」。共産党の小池晃書記局長は成立を評価しつつも、女性宮家の創設の是非について「国民的議論をやっていかなければならない」と述べた。日本維新の会の片山虎之助・共同代表は今後の課題について、「女性宮家の創設や皇位の安定的継承のあり方については内閣としても(対処)すると思うんで、国会もすべきだ」と訴えた。
社民党の又市征治幹事長は「皇室典範を変えると同時に女系天皇の論議をやるべきだと言ってきた。法施行後の検討事項になったことは残念」と振り返った。