記者会見する「今治加計獣医学部問題を考える会」の黒川敦彦共同代表(左端)ら=12日午後、愛媛県今治市、直井政夫撮影
安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計学園(岡山市)の獣医学部新設問題を巡り、国家戦略特区で予定地がある愛媛県今治市の市民団体が12日、「学部が未認可なのに事業を進めるのは不当」として、学園への市有地の無償譲渡と補助金支給の差し止めなどを求める住民監査請求を、市監査委員へ提出した。
特集:加計学園問題
市民団体は「今治加計獣医学部問題を考える会」。文部科学省が獣医学部設置を認可する前に、市が学園側に市有地約17ヘクタール(36億7500万円相当)を無償譲渡し、建設費の半額にあたる補助金96億円の支出を決めたのは文科省の認可権限や法令的手続きを無視しているなどと主張している。
今治市は3月、市有地の無償譲渡と96億円の補助を決めた。契約書などでは、獣医学部新設が認可されない場合は学園が原状回復した用地を市へ戻し、損害賠償すると決められている。
市役所で記者会見した同会の黒川敦彦共同代表(38)は「獣医学部ができなければ市がどんな損害を受けるかわからない。本当に市民の財産を守れるのかを問いたい」と話した。