■360度動画「いきもの目線」
各地で増えているという「フクロウカフェ」。一体どんな場所なんだろう。何種類もの猛禽(もうきん)類とふれ合えるというカフェ「ふくろうの森」を訪ねた。
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神奈川県平塚市のJR平塚駅から徒歩数分。ビル1階にある店のドアを開けると、20羽ほどが一斉に視線を向けてきた。
一抱えもありそうな大きなフクロウから、ほわほわの羽根を揺らしているヒナまで、ほぼ全員がまん丸お目め。みんなで「じーっ」と見つめてくる。照れくさいような、視線を外されるとさみしいような不思議な感覚。この、フクロウたちに囲まれ見つめられる感じを味わえるよう、360度カメラで撮影した。
経営しているのは、長年、猛禽類の繁殖を手がけてきた矢野正雄さん(65)。店にいるのは、すべて卵から孵化(ふか)させ、愛情を込めて育てている鳥ばかりだ。「自分を人間だと思っているから、人間を怖がらないんです」と矢野さん。愛鳥マッキンダーワシミミズクの「マッキー」は、名前を呼ばれると「ホーッ、ホッホー」と返事をする。
カフェではフクロウを腕や肩に止まらせることもできる。フラッシュ厳禁だが、写真撮影も可能だ。矢野さんは「触りまくって、人間だけが癒やされる場所じゃないんです。フクロウと一緒に過ごす時間を楽しんでいって欲しい」と話している。
初めてカフェに来たという同県海老名市の会社員・杉山貴章さん(38)は、「(猛禽類は)ちょっと怖いイメージだった」という。「でも近づいてみるととても可愛かった。すっかりファンになりました」と話していた。
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店内には羽を広げると約1メートルにもなる世界最大級のユーラシアワシミミズクから、15~20センチほどのコキンメフクロウまで約十数種類がいる。カフェは1時間入れ替え制。1ドリンク付きで大人1500円、小学生以下800円(いずれも税込み)。営業時間は正午~午後7時。月曜定休。鳥の販売もしており、価格は種類によって約12万~150万円程度という。問い合わせは0463・74・6042。(竹谷俊之)