欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は13日、チェコ、ハンガリー、ポーランドの3カ国が加盟国に割り当てられた難民の受け入れを実行していないとして調査に乗り出した。EU法に反していると判断すれば、提訴に踏み切る考えだ。EUが決めた難民受け入れ分担に反対するハンガリーとポーランドは、この決定に反発している。
EUは2015年9月、急増する難民の受け入れの負担を加盟国で分担することを多数決で決定。地中海に面し、難民にとって欧州の玄関口になっているギリシャ、イタリアなどの負担を軽くするため、この2国に到着した難民を他の加盟国が分担して、2年間で計16万人受け入れることにした。
だが、チェコやハンガリーは採決で反対票を投じ、難民受け入れに消極的な姿勢を取り続けている。欧州委によると、ポーランドも含めたこの3カ国は合意通り難民を受け入れておらず、必要な対策を取っていない。混乱で他の加盟国の受け入れも大幅に遅れ、この仕組みで受け入れられた難民は今のところ、2万869人にすぎない。
欧州委は今後、各国政府に調査…